CATEGORY:村田銃負革
2012年06月23日
18年式村田銃の負革製作 その1
今回は村田18年式小銃の負革製作の依頼を受けましたので、その制作過程を紹介したいと思います。
こちらが、依頼主様から我が工房に送られてきました村田銃用負革。革が硬化して外せないので負革止め金具も一緒に付いてきました。
油分が完全に抜けており、カサカサに乾ききった状態です。
採寸に入る前に、先ずは実物のお手入れ。オイルを塗ります。
オイル塗布完了。これでしばらく置くと馴染んでくるでしょう。
実物負革の各部計測を行い、型紙を起こして行きます。
調節穴には丁寧にテンプレートで印をつけます。
各部、型紙に穴を開けます。
お次は革の裁断。このような器具を使用し、私の身長より大きい革から一本、一本、ベルトを切り出して行きます。
その後、切り出したベルトに型紙を合わせてキリ等でケガいて細部を切断。だんだん形になってきました。
ケガキ、切り出しの終了した革を皮革塗料で塗って行きます。この色は我が工房が「茶」として製作、販売するときに塗っているもので自分で調合したものです。カッコよく言えば企業秘密なのですが、その割合は至極簡単です(笑
次に、床面(とこめん)といって、革の裏側(ざらざらした側)を専用塗料で仕上げていきます。
床面仕上げの完了。左から無垢、床面未処理、床面処理済み。仕上がりの雰囲気が全く違うのが分かると思います。実物の官給タイプの負革(といいますか皮革装備品のほぼ全て?)にはこの処理がなされていませんが、我が工房では仕上がりの美しさ、耐久性の両面からあえてこの床面処理を行っています。ここまで手入れして販売しているのは恐らく私だけだと思います。
塗装が完了しました。
「その2」へつづく。