CATEGORY:弾薬盒

2013年10月04日

前盒の試作 その4

その3の続きです。

切削編2:仕切革の切り出し

さて、次は⑧のパーツ「仕切革」を切り出します。

ところで、前盒を兵士一人分の2個製作した場合、この「仕切革」は何枚必要になると思いますか?
前盒の試作 その4
正解はコレ↑前盒1個に対し5枚必要です。2個分製作するとなると10個もの仕切革が必要となります。

カーブ曲線の入ったこのパーツを10個も切り出すのは正直大変です。そこで・・・
前盒の試作 その4
このような「抜型」を特注で作ってもらいました。これで作業スピードアップ!

前盒の試作 その4
しかし4ミリ厚の革を一気に抜き出すのは予想より大変。木槌はもとより、普通サイズの金槌でも無理。そこで倉庫に放っておいた汚いセットー(石頭)を引っぱり出してきました↑

前盒の試作 その4
この3枚で真ん中の仕切革を製作します。

前盒の試作 その4
つづいては左右両端に使用する仕切り革を抜き出します。これは堅牛革から抜き出すので、水にさらし、柔らかくしてから作業を行います。

仕様によると、仕切革は全て堅牛革を使用するようになっていますが、工房では加工の問題上、中央の3枚合わせの仕切革は多脂牛革を、左右両端の仕切革を堅牛革としました。
「中央の仕切革を多脂牛革にして問題は無いの?」と思われるかもしれませんが、4ミリ厚のものを3枚も重ね合わせると、相当な強度を保ちます。試しに試作品前盒の中央部を体重70キロのセカンド木村が踏んづけた上、体重を全てその上に乗せても破損するようなことはありませんでした。

切削編3:体の切り出し

お次は①のパーツ「体」の切り出しです。

先述のとおり、体は堅牛革と多脂牛革の2枚合わせです。
前盒の試作 その4
今回使用する革はこちら。左が多脂牛革(2.0ミリ)で右が堅牛革(2.5ミリ)になります。

前盒の試作 その4
先ずは多脂牛革(2.0ミリ)から。型紙に従ってケガキ、穴あけポイントに印を付けていきます。

前盒の試作 その4
ケガいたら革包丁で切り出していきます。

前盒の試作 その4
お次は堅牛革(2.5ミリ)をケガいて、切り出します。

前盒の試作 その4
体の切り出しが完了しました。多脂牛革に比較して堅牛革の方はタテヨコやや広めに切り出しています。

ついでなので、体の2枚貼り合わせ作業を行います。
前盒の試作 その4
革の床面中央部にボンドを塗ります(↑横着で竹串を使っています。ハケを使えっつーの!)

前盒の試作 その4
お互いの革の位置を確認しながら慎重に貼り合わせていきます。

前盒の試作 その4
貼り合わせたら・・・
前盒の試作 その4
ローラーで圧着します。

前盒の試作 その4
その後は重りになるようなテキトーなもので押さえ、ボンドが乾くまで放っておきます。


さて、今回はここまでです。以上で大まかなパーツの切り出しの紹介は終わりました。
次回は細部加工、穴あけ作業をご紹介します。

その5へつづく




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Posted by でくの房  at 13:30 │Comments(0)弾薬盒

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