CATEGORY:製作日記 資料品の紹介
2024年04月12日
軽機負い革 謎アイテム その2
さてさて前回からの続きです。
前回はお借りした(十一年式?)軽機負い革と、でくの房が所持している九六、九九式軽機負い革の比較をしてみました。
「ベルトの継ぎ目が10センチほどずれている」
が、見た目での大きく異なる点でした。
そして早速、複製作業に入り、早々に『完コピ品』を完成させました。こちらです↓
↑上がお借りしたスリングで、下が今回新たに複製したスリングです。当然これが第一号になります。↓
↑寸分違わぬコピー品が出来上がりました。
お借りした貴重なスリングに、勝手に金具類を装着したりベルトに折り目を付けるわけにはいきませんので(当然)、完成した複製品に金具類と遊革を装着してみました。↓
↓順にUP画像を見て行きましょう↓
↑見た感じでは特に何の変哲もなく、普通に「軽機負い革」に仕上がっています。
と、ここで・・・
再び「九六軽機取扱法」の付図、属品負い革を見てみましょう。↓
↑長さ調整用の尾錠は「最短」の状態で、ベルトの繋ぎ目を確認してみましょう。赤矢印部です。↑
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、ベルト継ぎ目の左端がナスカンを介し折り返したベルトの調整穴1個目付近にあるのが分かります。
では、今回複製した軽機負い革はどうかと言いますと・・・↓
↑うん、穴一個分ズレてる。惜しい!!
はて?これはどうしたものか?
付図が兵器制式図の転写ならばベルトが間違っているし、しかし付図が必ずしも正しく縮尺されているという訳では無い、のかな??実際、縮尺が正しくない物も存在するし・・・。どーなんだろう?
でも、まあ、穴一個分なら2~3センチ程度の誤差。
SCK48の観察だと実際に小銃用スリングも生産された時代によって、個々の長さに僅かな変化が見られるし(これは意図的なものと思われる)、革厚にも変化があります。
さて、ではどっちが正しいか?論は置いといて・・・
『謎アイテム』と題して、お借りした軽機の負い革を『謎』扱いしていましたが、複製し、付図を見て比較する限り、『謎アイテム』なのはむしろ、私が所持していた軽機負い革であり、お借りしたスリングの方が正しい(繋ぎ目に於いて)、という結論になってしまいました。
では・・・わたくしSCK48が所持している軽機負い革は「軽機負い革」ではないのか?・・・というとそうでも無いようです。↓
↑皆さまよくご存じの中田本です。
↑この書籍に米軍が戦後に記録した写真が掲載されています。非常に珍しく負い革が付属しています。
↑SCK48が所持している負い革を、写真と同条件で装着してみると・・・ベルトの繋ぎ目が中田本とほぼ一緒なんですよね~。
だから強ち否定も出来ない。
もしかしたらどこかのタイミングでベルト長に変更が加えられたのかもしれませんね。調べてもいないので興味がある方は調べてみて下さい。もし判明したら教えてくださいね(笑)。
↑複製した負い革とSCK48所持の実物負い革を並べてみました。↑
↑ベルトの繋ぎ目が異なるのが確認できます。↑
↑複製した負い革を装着してみました。何の違和感もありません。↑
最後に、ご依頼主様へ本来のご依頼である「負い革の製作」をしました。濃茶仕上げです↓
↑今回、遊革の縫い目ピッチが5ミリでしたので、それに倣い、複製も5ミリに変更しました。そのため、縫い目が1つ多い遊革になりました。↑誰にも気付かれないと思います(笑)。
↓順に全体を見て行きましょう↓
↑うん、良く出来ています。両方共複製にも見え、また実物にも見えますね。
さて今回は以上になります。
最後まで根気よくお読みくださいまして有難うございました。
ご意見等ありましたらメールや書き込み等でお寄せ下さいね。
でくの房@SCK48
前回はお借りした(十一年式?)軽機負い革と、でくの房が所持している九六、九九式軽機負い革の比較をしてみました。
「ベルトの継ぎ目が10センチほどずれている」
が、見た目での大きく異なる点でした。
そして早速、複製作業に入り、早々に『完コピ品』を完成させました。こちらです↓
↑上がお借りしたスリングで、下が今回新たに複製したスリングです。当然これが第一号になります。↓
↑寸分違わぬコピー品が出来上がりました。
お借りした貴重なスリングに、勝手に金具類を装着したりベルトに折り目を付けるわけにはいきませんので(当然)、完成した複製品に金具類と遊革を装着してみました。↓
↓順にUP画像を見て行きましょう↓
↑見た感じでは特に何の変哲もなく、普通に「軽機負い革」に仕上がっています。
と、ここで・・・
再び「九六軽機取扱法」の付図、属品負い革を見てみましょう。↓
↑長さ調整用の尾錠は「最短」の状態で、ベルトの繋ぎ目を確認してみましょう。赤矢印部です。↑
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、ベルト継ぎ目の左端がナスカンを介し折り返したベルトの調整穴1個目付近にあるのが分かります。
では、今回複製した軽機負い革はどうかと言いますと・・・↓
↑うん、穴一個分ズレてる。惜しい!!
はて?これはどうしたものか?
付図が兵器制式図の転写ならばベルトが間違っているし、しかし付図が必ずしも正しく縮尺されているという訳では無い、のかな??実際、縮尺が正しくない物も存在するし・・・。どーなんだろう?
でも、まあ、穴一個分なら2~3センチ程度の誤差。
SCK48の観察だと実際に小銃用スリングも生産された時代によって、個々の長さに僅かな変化が見られるし(これは意図的なものと思われる)、革厚にも変化があります。
さて、ではどっちが正しいか?論は置いといて・・・
『謎アイテム』と題して、お借りした軽機の負い革を『謎』扱いしていましたが、複製し、付図を見て比較する限り、『謎アイテム』なのはむしろ、私が所持していた軽機負い革であり、お借りしたスリングの方が正しい(繋ぎ目に於いて)、という結論になってしまいました。
では・・・わたくしSCK48が所持している軽機負い革は「軽機負い革」ではないのか?・・・というとそうでも無いようです。↓
↑皆さまよくご存じの中田本です。
↑この書籍に米軍が戦後に記録した写真が掲載されています。非常に珍しく負い革が付属しています。
↑SCK48が所持している負い革を、写真と同条件で装着してみると・・・ベルトの繋ぎ目が中田本とほぼ一緒なんですよね~。
だから強ち否定も出来ない。
もしかしたらどこかのタイミングでベルト長に変更が加えられたのかもしれませんね。調べてもいないので興味がある方は調べてみて下さい。もし判明したら教えてくださいね(笑)。
↑複製した負い革とSCK48所持の実物負い革を並べてみました。↑
↑ベルトの繋ぎ目が異なるのが確認できます。↑
↑複製した負い革を装着してみました。何の違和感もありません。↑
最後に、ご依頼主様へ本来のご依頼である「負い革の製作」をしました。濃茶仕上げです↓
↑今回、遊革の縫い目ピッチが5ミリでしたので、それに倣い、複製も5ミリに変更しました。そのため、縫い目が1つ多い遊革になりました。↑誰にも気付かれないと思います(笑)。
↓順に全体を見て行きましょう↓
↑うん、良く出来ています。両方共複製にも見え、また実物にも見えますね。
さて今回は以上になります。
最後まで根気よくお読みくださいまして有難うございました。
ご意見等ありましたらメールや書き込み等でお寄せ下さいね。
でくの房@SCK48