CATEGORY:製作日記 村田銃負革

2024年12月24日

検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)

『村田銃の識別法』というのっけから番外編をやってしまったセカンド木村ですが、お待たせです。次は村田銃の実物スリングの計測とその複製を行いたいと思います。

こちらが、実物村田スリングです。3種類あります。各々作りが異なります。
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
便宜上、上からA、B、Cとしましたが、AとBは調節穴が3+5個で、尾錠抜きが2個という、その後の30年式へと通ずる穴の配置となっています。Cは穴の数が3+6個、尾錠抜き2個という仕立てとなっています。

複製作業の前に、3種ある実物を細かく計測し、ベルトの巾と厚さの平均を割り出します。
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
↑このようにスリングの①~⑤を任意の位置として、ベルト巾と革の厚みを計りました。その結果がこちらになります。↓
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
↑数字の羅列で興味の無い人には全く意味のない表になっています(笑)。
ちなみにベルトAの厚さ②(数字下に赤線)は他の数値と比較して極端に低い値となりましたので平均の参考にはしていません。

各々平均は次のようになりました。

    巾    厚さ
A  28.66  3.55
B  28.54  3.39
C  30.03  3.81

以上より、村田銃スリングの3種の平均はベルト巾は29.07ミリ、厚さは3.58ミリ、ということになります。

でくの房では通常、30年式の負い革を製作するときにはベルト巾30ミリ、厚さ4.0ミリで仕立てております。
ベルト巾は30ミリでOKだとしても、厚みを実物の平均値に合わせて3.5ミリ程度にするか否かで大分迷いました。しかし3.5ミリ厚は4.0ミリと比較すると貧弱感が否めません。僅か0.5ミリの差ですが、スリングを装着する時や、手で握ったときの感触は、やはり4.0ミリのほうが断然分厚くしっかりとしたものに感じます。よって複製には4.0ミリ厚を使用することにしました。

ちなみにスリングBは完品でして↓
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
↑このようにアルミ尾錠まで揃っています。素晴らしい~!

各部計測後、型紙を製作して・・・↓
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
3種類の村田負い革を複製しました。それがこれです。↓
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
↓オリジナルAの複製はA´、BはB´、CはC´としました。穴の位置に注目しながら全体を見てみましょう。↓
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
先にも書きましたが、やはりC´のみ穴の位置と数が他と異なります。↓
検証!村田銃負い革 その3(計測と複製)
しかし『エーダッシュ』なんて呼び方、中学の数学授業を連想させてちょっと嫌ですね(笑)。

複製スリングが完成しましたので、実際に村田銃への装着を行ってみましょう!

つづく





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Posted by でくの房  at 09:10 │Comments(0)製作日記村田銃負革

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