CATEGORY:製作日記
2013年04月05日
八九式重擲弾筒の引革と外被 その1
昨年末、CAW社製の八九式重擲弾筒が再販されたので購入していました。

いやー、良いモデルですねえ~。私としてはBB弾は飛ばなくていいので、実物同様の動きをしてくれたらもっと嬉しかったのですが・・・(消費者って勝手ですね、ホント)。
さて、この擲弾筒、購入したばかりの状態では引き金に『引革』が存在せず、↓

柄桿を覆う『外被』は、雰囲気がそれっぽくないので↓(CAW社さんゴメンナサイ)

工房で依頼製作してみることにしました。
この製作に入るわずか数日前に、偶然にも古本屋で「擲弾筒手ノ詳解 八九式重擲弾筒取扱法附」を入手。↓

折角なので、『引革』と『外被』の項を見てみましょう↓

↑「引鉄」の説明に「・・・棹桿ハ上部湾曲し此部ニ引革ヲ装着ス」とあります。
また、付図には・・・

↑このように『引革』のイラストが描かれているのを確認できます。この『引革』と引鉄を繋ぐために『三角環』を使用してあることが分かります・・・でも↓

↑こちらの付図には『三角環』ではなく『半月環(Dカン』が使用されています・・・、まあ、そこまでこだわらなくてもいい部分なんですが、皮革工房を営んでいる私としてはついつい目がいってしまう箇所なのであります。
次に『外被』を見てみましょう。↓

『外被』の項には「逆鉤下端ト駐板トノ間ニ装シ柄桿内ニ塵挨、土砂等ノ侵入スルヲ防ク」と表記されています。
ご存知の通り、擲弾筒弾を発射する際には目標距離を設定する必要がありまして、「整度器」とよばれる部分をクルクルと回すことにより距離調整を行い、それとともに引鉄部が上下します。この上下する機関部に砂やごみが入るのを防ぐのが『外被』なのであります(←知ったように書いていますが、実は「土と兵隊」を見て確認したのです、しかも最近・・・)
では『引革』から製作してみます。
先ずは『三角環』の選定から。大、小二種の真鍮三角環を用意して、

引鉄部に取り付けてみました。↓

小より大の方が良いみたいです。
『引革』本体を製作します。型紙を製作し、皮革にケガいていきます。↓

革包丁で裁ちます。↓

裁った革の角を面取りします。↓

色を塗ります。↓

色を塗り終えたら、糸を通すための穴を開けます。↓


穴を全て開け終えた状態。↓

次に、『引革』を『三角環』に通してみます。↓

上手く三角環に合わさったみたいなので、糸縫いして行きます。↓

この部分から縫い始めます。↓

順次縫い進めて・・・↓

ここで縫い終わり。↓

仕上げに木槌で軽く叩いて、縫い糸を落ち着かせます。↓

完成した『引革』を手に収めてみると非常に引きやすく、手にしっくりとくる感じに仕上がりました。↓

一先ず、『引革』部のみ完成です。↓

その2へつづく
いやー、良いモデルですねえ~。私としてはBB弾は飛ばなくていいので、実物同様の動きをしてくれたらもっと嬉しかったのですが・・・(消費者って勝手ですね、ホント)。
さて、この擲弾筒、購入したばかりの状態では引き金に『引革』が存在せず、↓
柄桿を覆う『外被』は、雰囲気がそれっぽくないので↓(CAW社さんゴメンナサイ)
工房で依頼製作してみることにしました。
この製作に入るわずか数日前に、偶然にも古本屋で「擲弾筒手ノ詳解 八九式重擲弾筒取扱法附」を入手。↓
折角なので、『引革』と『外被』の項を見てみましょう↓
↑「引鉄」の説明に「・・・棹桿ハ上部湾曲し此部ニ引革ヲ装着ス」とあります。
また、付図には・・・
↑このように『引革』のイラストが描かれているのを確認できます。この『引革』と引鉄を繋ぐために『三角環』を使用してあることが分かります・・・でも↓
↑こちらの付図には『三角環』ではなく『半月環(Dカン』が使用されています・・・、まあ、そこまでこだわらなくてもいい部分なんですが、皮革工房を営んでいる私としてはついつい目がいってしまう箇所なのであります。
次に『外被』を見てみましょう。↓
『外被』の項には「逆鉤下端ト駐板トノ間ニ装シ柄桿内ニ塵挨、土砂等ノ侵入スルヲ防ク」と表記されています。
ご存知の通り、擲弾筒弾を発射する際には目標距離を設定する必要がありまして、「整度器」とよばれる部分をクルクルと回すことにより距離調整を行い、それとともに引鉄部が上下します。この上下する機関部に砂やごみが入るのを防ぐのが『外被』なのであります(←知ったように書いていますが、実は「土と兵隊」を見て確認したのです、しかも最近・・・)
では『引革』から製作してみます。
先ずは『三角環』の選定から。大、小二種の真鍮三角環を用意して、
引鉄部に取り付けてみました。↓
小より大の方が良いみたいです。
『引革』本体を製作します。型紙を製作し、皮革にケガいていきます。↓
革包丁で裁ちます。↓
裁った革の角を面取りします。↓
色を塗ります。↓
色を塗り終えたら、糸を通すための穴を開けます。↓
穴を全て開け終えた状態。↓
次に、『引革』を『三角環』に通してみます。↓
上手く三角環に合わさったみたいなので、糸縫いして行きます。↓
この部分から縫い始めます。↓
順次縫い進めて・・・↓
ここで縫い終わり。↓
仕上げに木槌で軽く叩いて、縫い糸を落ち着かせます。↓
完成した『引革』を手に収めてみると非常に引きやすく、手にしっくりとくる感じに仕上がりました。↓
一先ず、『引革』部のみ完成です。↓
その2へつづく